2009年5月31日日曜日

(細切れ連載)黒船 その1

我が人生を振り返ってみれば黒船が来航したと言えるのはヒップホップとの出会い以外にありえません。「最初に好きになったのはマイケル・ジャクソンで、その後姉さんの影響でニュージャックスイングとか聞き出しました」という奴はこれ以上読まなくてもヨシ!君に話すことは無い。

俺の中学~高校時代と言えばロックそしてパンク・ニューウエーブの時代。それも一番多感な時期がハードコアパンク直撃だった訳で、GISM,GAUZE,COMES,EXECUTEという東京4大ハードコアパンクが好きで、その後、ADKやAAレーベルのバンドを追いかけ、やがてやってくるインディーズ・ブームには苦々しい思いをしていた人間が黒人の音楽を聞くようになるなんて思ってもいなかったのでありました。(つづく)

2009年5月27日水曜日

John Martyn - Solid Air



いよいよ忙しくなってきました。なんでこんなに忙しいのかは後々お話します。

ということで今回も手抜きブログです。人のこと言えないよね。

最近は元気の出ない曲ばかり聞いてます。前に"Soundtrack For May"であげたitunesのプレイリストは家でチルしたい時に聞く曲です。こんなのばかり聞いてます。でも一言いわせていただけたら、こんな時に元気でいられる奴らは何を考えているかっていう話ですよ。「こういう時こそあえて元気出していこうよ」なんてうざいっすよ。こんな時こそおもいっくそ暗い気分に浸るのが正解です。カラ元気なんて糞くらえ。調子悪くて当たり前。暗い時代には暗い曲聞けよ。暗くなくなったらもう聞けないんだからさ。

2009年5月26日火曜日

浅川マキ - 夜



ここ数年は渋谷には年に一度ほどしか寄ることはなくなりました。たいてい真夜中のほとんど人がいない時間に昔毎日通っていた道を記憶をたどりながら歩きます。前にレコード屋だったところや食べに行っていた飯屋がビルごと無くなっていたり、看板だけを残して空っぽになっていたりしているのを見るのは感傷的な気分にさせます。あと数年で自分の記憶にあった渋谷の店のほとんどは無くなってしまい、そしてここに来る意味も無くなってしまうのでしょう。

そんな時に聞いていたipodからこんな曲が流れてきたらたまらんものがあります。

すべての物には眠るべく夜が来る。そして寝てしまったら前に有ったものが本当だったのか幻だったのか分らなくなってしまうものなのでしょう。

2009年5月23日土曜日

Gap Mangione - Diana in the Autumn Wind



現在、ある事情で長い文章が書けないためYouTubeからの引用でお茶を濁しております。これもSlum Villageがサンプリングする前からその界隈では有名だった曲で、LPからリッピングして自分のipodにずっと入れてます。たぶん生涯で20番目くらいに好きな曲かも。

2009年5月22日金曜日

Archie Whitewater- Cross Country



これも前回のHasseles同様、忘れられない曲のひとつです。ヒップホップのネタを探っていくことがこういう忘れ去れたロックへの近道だった時期が有りました。あの頃見つけた曲はいまだにほとんど覚えています。その後、いろいろな理由でサンプリングが曲の途中のほんの一瞬だけとかになって、サンプリングの元の曲を聞いても「サンプリングネタを探すテクニック」以外に何の感慨も持たなくなってからはいろんなものが失われた気がしますが、それも「もう戻ることのない歴史の一部」なのでしょうか。

2009年5月19日火曜日

Hassles - 4 O'clock In The Morning



ビートバップレコードの初期にはヒップホップのサンプリングに使えそうな「ネタ」をよく探してきてましたが、そういった中にはこういうサイケデリックなものが多かったもんです。Puff DaddyのBad Boyが売れることによってこういうものはヒップホップから一掃されてしまいましたが、ヒップホップにサイケなロックのエッセンスが流れていた時期が有ったということは覚えておいて損は無いでしょう。ちなみにこのバンドはBilly Joelが在籍していたバンドとしても有名です。、

2009年5月17日日曜日

Steve Kuhn / Steve Kuhn ('71 Buddah)

レコード屋をやっている時はまだ見たことのないレコードを求めて東ヨーロッパやブラジル、キューバまで行ってました。当時旧ソ連もかなり発掘が進んでおり、「このまま行くと北朝鮮に行くしかあるまい」などと冗談で言ってたものです。

しかしその後いろいろな再発が出てみるとアメリカやヨーロッパの普通のレーベルにいいレコードが有ることに気づかされました。

そんな一枚がこちら


Steve Kuhn / Early 70's










Gary McFarlandがアレンジに参加した71年のアルバム(に数曲をプラス)。特筆すべきはキューン自身が歌っていることで、はっきり言ってうまくありません。しかしそれがこのけだるくメランコリックなアルバムに妖艶さを加える結果となり、全体的には非常にサイケデリックなアルバムとなっております。ローズピアノ好きなら買って損なしのけむたいアルバム。

2009年5月13日水曜日

ウェブはバカと暇人のもの

出版大手 ブックオフ株取得へ
http://www.nhk.or.jp/news/t10015933191000.html

普通に考えたら「出版社も中古市場も取り込まなければならない程切迫してるのね。」という感想で済む話なのだろうけど、なんか不穏なものを感じるのは自分だけでしょうか?いきなり30%取得ってねぇ、経営に口出しする気まんまんな数字だよね。これが5年後に思い返したら、「新刊から3か月以内は、古本(中古)の販売は禁止」や「古本(中古)の販売も著作権の二次的使用なので著作料を支払うこと」などの布石だったなんてことになったりしてね。あぁ怖。

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書) (新書)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4334035027/

すいません、まだ読んでません。発注はしました。で、なんで読んでないのに書いているかというと、このタイトルは流行る、というか浸透すると思ったので。

数日前のエントリーに書きましたが、7年前まで、まだブログが一般に浸透する前にネットで日記を書いていて、7年後にネット社会に復活した人間としては、今のブログ全盛(?)のネット界には違和感を感じております。これだけブログでいろんな人たちが自分を世界に向けて発信しているはずなのに、差しさわりのないことしか見つけることが出来ないんです。

例えば、スチャダラパーの新譜「11」は出てからしばらく経っていますが、いまだに聞けていないので先に買った人たちがどんな感想を持っているのか知りたくて検索してみたのですが、なるほどと思ったのは本当にひとつかふたつで、あとは「「今夜はブギーバック」が今でも好きなスチャダラの新しいの買いました。よかったです。初回盤はDVD付きでしたよ!」くらいしか内容が無いでやんの。そんなもん書く意味有るのか?

あ、言いすぎました。

昔(と言っても10年ほど前)はみんなが学級新聞を持ち寄ったような、個人で作ったホームページがたくさん有って、どれも内容が偏っていて面白かったのですが、いつの間にかそんなものは無くなって、無難なブログしか見なくなりました。自分の書いたものが人に監視されているという気持ちが強いのか、「ブログ炎上」が怖いのか、学級新聞だったものがホームルームになってしまった感じ。

「先生。●●くんは▲▲さんのことをいじめていていけないと思います」と突然、自分がホームルームで議題になってしまう恐怖。

「僕もそう思います」
「私も●●くんが▲▲さんのことをいじめているのを見ました」とクラス中につるし上げられてしまったら、明日からどんな顔で学校に行けばいいのかって感じなのでしょうか?

そうやって「何か」、もっとはっきり言うと「正義」というものに委縮したままみんながブログをエントリーしていけばどうなるのかと言えば、膨大な文章が有って暇つぶしになるけど、ほとんどの文章がただそこに有るだけでしかないという空虚な空間が出来あがるのではないかと。

正直どうでもいいけど、ネット社会の空虚さが、実社会にも染み出して、知らない人とコミュニケーションを取るということがどんどん怖くて、空虚なものになっていったら、それは本当に嫌だ。あぁ怖。

世界一のレコードコレクションを持つ男の話

The Archive from Sean Dunne on Vimeo.



ピッツバーグでレコード屋を経営しているPaulは店の地下に自分だけの膨大なレコードコレクションを持っていたが、目がほとんど見えなくなり、妻と二人で経営していたレコード屋を閉め地下のコレクションを売りに出そうとする。しかしその提示された金額(コレクションの内容を考えたら決して高くない)に買い手はつかず、今ではオファーすらもなくなった・・

オリジナルURL:
http://vimeo.com/1546186

2009年5月9日土曜日

死人に捧げるバラード

武田鉄矢、忌野さんと天国での共演誓う
http://life-cdn.oricon.co.jp/65842/

「 歌手で俳優の武田鉄矢が4日、東京・渋谷の代々木公園けやき並木沿いに田んぼを“設置”するイベント『渋谷田んぼCLUB』に参加。終了後には、2日未明にがん性リンパ管症で死去した歌手・忌野清志郎さんを偲び、同世代でこれまで何度もコンサートで共演してきたことから「私がそちらに行ったら、忌野さんはブルース、私はバラードでジョイントライブをやりたい」と再共演を誓った。」

大人になるって何かと言われたらこの記事のことだ。
言われる方も、言わされる方も、それを聞かされる方にも浮かぶ「(苦笑)」
それをかみしめるのが大人だ。

2009年5月8日金曜日

書きたくなる音楽を求めて

7年ほど前に1年ほど音楽についての日記をネット上に書いていたことが有る。

まだブログという存在も知らなくて、毎日HTMLで書いて更新していた。毎日、なんかの音楽をネタにしながら適当なことを書いていたのだけれど、なぜか面白いと言ってくれる人が出てきて、いつの間にか「レコード屋をやっている人」じゃなくて、「インターネットに変な日記を書いている人」として知らない人が俺のことを知っていることになった。

で、レコード屋を辞めた時にその日記も辞めて、人が見えるところで文書を書くこともしなくなった。数年前にmixiを知って昔の仲間に再び連絡を取ってをマイミクにしてもらった。ちなみにマイミクは10人しかいない。そこでごくたまに日記を書いては消したりしていた。

で、またレコード屋をやろうかと思い出して、それならまたオープンな場所で文章を書こうかと思って始めたのが、今みなさんが見てるこれです。しかし、この7年で音楽について文章を書くという行為自体は大きく変わってしまった。7年ほど前、あれほど毎日いろんな音楽について好き勝手に書いていたのに、今は音楽を書くこと自体に難しさを感じている。

今でも新譜をあれこれ買っているし、ネタにしたい音楽が無くなったとかではなくて、

それは例えばこういうことだ。あるバンドの新譜に対して、
「アルバムあんなR&Bの女性ボーカルなんかと一緒に売れ線の曲ださなくたって、彼らなら充分やっていけるのに。正直あの曲でアルバム全体のバランスがおかしくなった。」(特定の曲やアーティストのことではなく今適当に作った)と、前なら書いていたのだがそんなことはもう書いてはいけないらしい。直接、言われた訳ではないが、なんつーの
「みんなこの厳しい業界の中でサバイブしようとして、がんばっているのにその足を引っ張るようなことを言うのはどうなのだ?」みたいな空気があふれているのだ。もう「●●さんの新譜買ったけど、すごい最高でした。みなさんも買いましょう。初回盤にはDVDもついていたし。」みたいなことしか書いてはいけないんだ。

それだったら、あれだよ、昔の日記である人気のあるアーティストの新譜をネタに文章を書いていたら、途中からシャブ中の話になったのが有ったけど、あれなんか今だったら訴えられて文句は言えないレベルだね。

別にサンプルもらってる訳じゃないんだけど、自分で買ったんだけど。アマゾンのレビューでそれをやるなら非難されてもしょうがないけど、自分の日記なのにね。なんつーか、これからアルバムを買おうとしている人たちに「良かった」という感想以外は書いたらあかんのだ。「そんなもんこの業界が大変な時に何してくれてんだ、このボケ」か。別に俺は批評する気はなくて、買ったCDを聞きながら思ったことを書くけど、結果としてその文章が面白ければそれで十分その音楽が面白かったということになるんじゃないのかとか思ってたけど、やっぱり違うのね。その途中からシャブ中の話になる文章も自分のベスト・オブ・日記だと思っていて、全然面白かったんだけどなぁ。

別にこれは日本の音楽だけの話じゃなくて、海外の音楽も今は批評お断りでしょ?昔の音楽についてはみんな饒舌に書くけど、最近の音楽についてはもうどんどん書かなくなってきているのが現状。

それはそれでいい。この業界が大変な時代にあれこれ言われたくないのならそれは尊重するけど、買う/買わない(売れた/売れなかった)だけでしか音楽が判断されないのはどうなのか?選挙じゃないんだぜ。今回は●万枚売れたからノルマ達成、次のレコードも出せる。それで本当に何かが前に進むのかい?前にも書いたけど、その格好悪さのツケは後で回ってくると思うけどね。どうなんだろう。

2009年5月6日水曜日

外道”香り”



2009年5月に何人が外道について語っているのか?

ちょっと調べてみたけどあまりいなかったかも。

という自分も学生時代はパンク~ハードコア~インディーズ直撃世代ですので血気盛んな時期に聞くこともなく、その後もなんとなく聞き逃し30歳を過ぎてからやっと聞くようになったんです。

もちろん原爆オナニーズのカヴァーの方は知っていましたよ。もちろん。


ちなみにCAROLもいい大人になってからしか聞いてません。

よくいるのが、この辺のバンド、あとアナーキーを入れてもいいけど、を語る時にヤンキーとか暴走族とかに人気の有ったバンドだよね、と言っただけで全部を語ってる気になっている人たち。

しかしながら2009年、自分がipodなぞで適当にシャッフルしてるとイントロから「わ、これなんだっけ?」と引き込まれて、ちゃんと「ドライブ」してる音をしてて純粋にかっこいいわと思うのはたいていそういうバンドだったりします。

「ロックについて知ってるバンドは多いけど、奴らはロールを知らねぇ」はキースさんの言葉ですが、そういう意味ではちゃんとロールをしていたバンドが日本ではヤンキーの文化の一部としか語られず、裸のラリーズやフリッパーズギターについてはあれこれ饒舌に語られたりしているのはやはり差別なのではないでしょうか?

で、突然ですがBORIS。

この曲、"Statement"は2008年の俺の年間ベストワンなんです。BORISというのはたぶんMelvinsの同名曲からバンド名を取っているのだろうし、メルツバウとかと共演したり、1曲が1時間以上あるようなドローンな曲をやったりとかしているバンドなのです。ま、ある意味外道とかとは対極にいるバンドで。この曲もたぶんKyussとかストーナー・ロックと言われているバンドを意識して作られているのだと思うのですが、たぶんどっかで配合を間違えてしまったのか、バンドの意思とは関係なく、ものすごく「日本のやさぐれたロック」になっているのがすっごくいいんです。そういう風に知り合いとかにオススメするのですが、ほめていると思われないのかあまり通じませんけどね。

ということで、思い入れたっぷりに語られる音よりも、思い入れ込みで語ることを拒否された音楽の方が魅力的に感じる、そんな2009年春でした。

2009年5月4日月曜日

いいんだぜ



サブカルでも、カウンターカルチャーでも、ロックでも、ヒップホップでも、言葉というものを使うのだったら、それはどの立場からその言葉を発しているのかということが重要なんです。

「シャンパンがどうの」だの「信じていればきっと夢はかなうよ」とかしか言えない奴はどの位置からその言葉を発しているのか分かってるのかね?自分がどれだけ滑稽なのか分かっているのかね?

ということで中島らもの「いいんだぜ」ですけど。これほど何を言わなければいけないのか、どの位置からその言葉を発しているのかということをシンプルに表してる曲は無いと思うのです。この曲にピンとこないのでしたら、それはそれでよし。君は君の人生を生きろ。でも俺の雲からは出ていってくれ。


まぁ、世の中にはもっと「いいんだぜ」があふれたらいいと思うけど、「いいんだぜ」や「自分が自分で有ることを誇る」だのと言われたばかりにこのままでいいんだ、なんの努力もしなくていいんだと思ってしまう馬鹿もたくさんいる訳ですが、それはまた別の話。

2009年5月3日日曜日

おまんこ野郎



世の中がお高くとまろうとしたら、その面の前に鏡を押し当てて「てめぇ本当はそんなか?」って言わなあかんのですよ。FM東京も原発も北朝鮮も君が代も政 治の歌じゃないんだよ。常にどぎつい言葉で世間の良識とやらを揺さぶっていかないといけないんだよ。


このビデオで「おまんこ野郎」と歌った後に一瞬顔が緊張して素になってるけど、

「でもやるんだよ!」 ってことさ。


なんでそんなことをやるかと言えば怒りとかだけじゃないんだよ。この世界で常に違和感を感じながら生きている奴らに「それでいいんだよ、俺もそうなんだよ」と言ってやるためにやるんだよ。そういう意味では俺の中では根本敬や中島らもと同じ。ある人たちには彼らのやってることが過激だとか過剰だとかしか映らないけど、その奥にはもっと違うもの、「疎外されている者たちへの愛」が有るのさ。

世代的にはRC直撃世代ですので、ギンザNOWの前に流れたRCのCMを見た時から気になってずっと追いかけてきましたが、ある時からバンド内の不和が音にも出てきてるような気がして聞かなくなりました。それでも影響はずっと受けてると言えるのはそういう理由で。

ナンシー関の時も、中島らもの時も、そして今回も思うのは、俺達は今後彼らのいない世界に取り残されるんだなという気持ち。

彼らに何かを言わせて喜んでいただけの自分たちはこの後の時間を、世の中を面白くすることが出来るのか?