2012年1月25日水曜日

日本語ラップに翻弄されるお前こそがヒップホップ

『LEGEND オブ 日本語ラップ伝説』(サイプレス上野、東京ブロンクス著)を買ってみた。

ウエブで連載されていた時にほとんど見ていたので「買わなくてもいいかな」と思っていたけど、目次に並ぶ取り上げたアーチストの名前を見ていたらまとめて読みたくなったから。で、やはりまとめて読むといろいろ面白い発見が有る本だった。

この本を一言で言うと、「俺の知ってる日本のヒップホップのことがたくさん書いて有る本」だ。

それは何かといえば、「俺の好きなスチャダラパーを俺の好きな誰々が揶揄してる」とか、「あのクルーとあのクルーは仲が悪い」とか「名古屋のヒップホップは怖い」とか「ブルー・ハーブがライムスターをディスった」とか「あのDJの怖い逸話」とかそういった類の話を聞くたびに翻弄される日本のヒップホップ好きの男の心の葛藤だ。

自分はサイプレス上野より歳上なので当事者というより傍観者だったけど、この日本語ヒップホップに翻弄され続ける奴らはたくさん見てきたし、よく知ってる。それこそが俺の考える「90年代の日本語ラップ」 のそのものだった。なので今までの日本語ラップの歴史本を読んでも除菌されたおとぎ話にしか感じられなかったが、この本の中の話は読みながら大笑いと苦笑を繰り返しながら、「あぁ、有った。有った。」と記憶を呼び起こさせる身近なものなのだ。

10%のラッパー、DJと、その言動と作品にいちいち翻弄される90%のヘッズ、そのトータルが90年代の日本語ラップだ。

しかし、この感じ何人が共有出来るのだろう?

なんにしろ、千葉くんのことがこんなに書いてある本はほかに無いだろう。ぜひ、若い人もこの本で「朝4時に超長い脚立を持ってクラブにやって来る」男の話を読んで欲しい。

そして、知った振りしろ。