2010年1月7日木曜日

The Clash "London Calling"

本日は大ネタ、クラッシュのロンドン・コーリングです。


このアルバムは「ロンドン通信」というタイトルにも関わらず、アメリカのことを歌った曲が多い。というか、たぶんアルバムのテーマがアメリカだったと推測されます。

このアルバムが出たのが1979年ですが、その頃のひとつの結論として時代を変えると思われていたパンクがアメリカでことごとく受けず、数々のバンドが打撃を受け、方向性を変えざる負えなくなったということです。

元々、RAMONESなどのNYパンクの憧れからスタートしたイギリスのパンクでしたが、アメリカではまったく音楽的に受けなかった。ピストルズは解散。ストラングラースは攻撃的なサウンドを止めてヨーロッパ人としての自我に目覚め、湿り気の有る音に変わり、その他の弱小バンドは解散、もしくはやけくそになってハードコアになっていく、そんな時代。

クラッシュも例外でなく、アメリカでは全然受けなかった。というか、まともに音楽として評価されなかった。そのアメリカでの敗北が色濃く出たのが、このアルバム「ロンドン・コーリング」です。だからタイトル自体がすごい皮肉。

で、その後クラッシュは「アメリカ?受けなくて結構。俺達イギリス人は本当のレベル・ミュージックを知ってるのさ。レゲエっていうね。」と一気にレゲエ・ダブを自らのアイデンティティーだと宣言した「サンディニスタ」につながっていくのです。

それもまた混乱したアルバムでしたが、この2作でのクラッシュの混乱はとても好きです。この迷いながら自分たちのアイデンティティーを探す旅のドキュメントとして。すべてのバンドは自分たちの混乱や敗北もちゃんと音として残すべきであると自分なぞ思いますが、この時代にあってはそれもオールド・ファッションな考えのようです。

その後、クラッシュは"Should I Stay Or Should I Go"で意外と簡単にアメリカでヒットしたりするので世の中分からないもんです。で、それでバンドがうまく行くのかと思うとそうではなくて、今度はブラック・ミュージックからヒップホップの流れに飲まれてまた混乱、メンバー離脱、解散、そしてまたアイデンティティーを探す旅へとつながっていくのですが、その話はまたいつか。