2009年12月16日水曜日

Beat Bop Records、レコード屋閉店に思う

Twitterで話題になったこちら、Escalatorレコードの仲真史さんのブログ。まずはご覧ください。

仲真史、レコード屋の閉店に思う
Part1 http://i-radio.cocolog-nifty.com/radioescalator/2007/12/post_d7ec.html
Part2 http://i-radio.cocolog-nifty.com/radioescalator/2007/12/part2_508e.html

みんながひっかかったのがPart2の試聴を止めるの部分ですね。

仲さんが言うのは、試聴をしないことでレコードを見極める目を養って欲しいということなのだと思うのだが、もちろんそれはそれでいいと思う。それぞれのお店の考え方だから。ただ、

「試聴を自由にお客様にさせてしまうということは、お客様の成長も妨げ、しかもこっちが新しいモノとして紹介するものに対しては理解されず、ワカり安いモノしか買われない。するとワカりにくい新しいモノは売れないので店は仕入れにくくなる、だからワカり安いものを多く仕入れて売る、するともっと一般の人が来てくれて売上は一時上がる、これはいいぞとさらにワカり安いモノをメインで売る、しかし元々普通の音楽では物足りなく通っていた輸入盤屋のメインの客層は、そこに価値を見出さなくなり行かなくなる、そしていつの間にか飽きやすい一般の人たちは去っていく」

ごめん、ここはまったく理解出来ない。自分たちの伝えたい物が伝わらないで、ワカりやすいものしか売れていないし、客はいつまでも成長しないという不満。

そこを疑ってはいけないんじゃないのか?

ブログで書かれている内容をいちいちつっこむ気はない(外人は試聴OKのくだりとか「その外人に中国人とかインド人とかも入ってるの?」とつっこんでもしょうがないし)。それよりも、全体から伝わってくる「物事がうまくいかなくなってしまって狼狽している感じ」が、かつてレコード屋を閉店した自分にも覚えがあるので、一言いいたい。

そういう時こそなにかひとつを信じなければならないんじゃない?

Beat Bop Recordsはターンテーブルを解放して、常連さんも一見さんも関係なく何枚でも自由に自分で試聴してもらってきた。それが自分が行きたいレコード屋だったから。例えば、12インチでもA面の曲は駄目でもB面の2曲目に入っている1分足らずの曲が「自分にとっては」強力に良かったりすることが有るのを知ってるから。自由に試聴出来なければそういうものに気付くことは無いし。

そういう風に試聴させて大丈夫ですか?と心配もされた。たまに試聴中にレコードにキズつけたり、中身を入れ替えてレジに持ってくる奴もいたけど、それはごくたま~にだったし、何年もやってきて実際ほとんど問題が無かった。そして、自分がそのスタイルを維持出来たことを、そのスタイルを維持させてくれたお客さんたちに感謝している。

いろいろ有って店を閉めてけど、そういう試聴全部OKの店をやってきたことで、少しでも誰かが自分だけの何かを見つけてくれたくれたなら、それで東京の音楽に少しでも貢献出来たなら全然オッケーだった。自分が信じていたのはそこ。そして、それから6年経って戻ってきた時にまだ店の名前を覚えてくれていた人がいたことは俺の誇り。

だから、仲さんにも最後までお客さんを信じて欲しいんだよね。エスカレーターと言えばスタイリッシュな人たちというイメージだったから、こんな混乱したことをストレートに出してしまったことに内心を察するものが有りますが、もしレコード屋を辞めなくてならないような時が来ても自分の店が少なくても自分のお客さんの音楽観と東京の音楽に確かなものを残したし、貢献出来たという信念だけは失って欲しくないです。そうすれば何が正しいのかという答えはおのずと出てくるんじゃないのかな?