2009年8月24日月曜日

オーディオとしての正しさがヒップホップを変えた時

'01年のフジロックにNitro Microphone Undergroundがホワイトステージに出たんだけど、その時全然盛り上がらなかった。なぜそれを知っているかというとその場にいたから。それには原因が有って、ニトロのトラックには808のキックを隠し味で薄くまぶして有ったんだけど、ホワイトステージのPAが良すぎてそれを見事に再現してしまったから。想像して欲しいが、808のキックの"ぼぉ~ん”という音が2小節ごとにライン直みたいになり響いてしまったら、もはやラップがどうの、トラックがどうのではなく疾走感ゼロ。"ぼぉ~ん・ぼぉ~ん・ぼぉ~ん・ぼぉ~ん”と鳴っている中でなんかラップしているだけになってしまったニトロはたぶんステージの上では何が起こっているか分からないままだったろうし、かわいそうだった。

別に昔の恥ずかしい事をぶり返すつもりはないが、ヒップホップとハイファイということを考えるとあの時にことを思い出す。そしてDREの音がニューヨークのヒップホップのフィルターを使った音を一瞬にして過去の物にしてしまった事を。DREは確実に「ラジオと車」社会の中でどんな音がオーディオ的に正しいことが分かっていたのだ。だから西海岸はアメリカ全土で勝利した。そしてそれがヒップホップを変えた。PETE ROCKやLARGE PROFESSORやBEATMINERZの時代の音を懐かしく思うことは有るが、オーディオ=音響の中ではDREが正しかった。それは歴史が証明している。