2009年4月25日土曜日

レコード屋はもう無理だと思った訳 part1

ここにこんなブログが、

JOJO広重BLOG:ごめんね、レコード・ストア・デイ (2009年4月18日)
http://noise.livedoor.biz/archives/50784723.html

正直、後半はレコード屋、音楽関係の仕事をしている人だったら、
「薄々分かってるけど、そこまで言わなくても・・・」と思ってしまう、つらい内容だけど、
自分も6年前にレコード屋を辞める時にはこれに近いことを思っていました。

レコード屋はもうすぐ無くなってしまうんだ・・・・  と。

非常階段のJOJO広重さんはミュージシャンでは珍しくほぼ毎日ブログを更新していてるだけれど、2008年4月には大阪のAMS/アルケミーミュージックストアを閉店している。その前後の店を閉めるにいたる経緯や気持ちなどもブログの中に記されているので見ていただきたい。と言うかリアルタイムにその閉店をブログで追っていたら、ほぼ忘れかけていた自分が店を閉店していた時の気持ちなどが思いっきりフラッシュバックしてしまい、それがきっかけで逆に「またレコード屋やりたいなぁ」という気持ちになってくるのだが、その話はまたいつか。



かつてアメリカに毎月買付に行っていた時には、

いつかアメリカの大統領が黒人になる日も来るんだろうなぁ。でも、それは自分の死んだずっとずっと後なんだろうなぁ。

と思っていたのですが、それが今は現実。それと同じように、

いつかレコード屋なんて無くなる日が来るんだろうなぁ。でもそれはもうちょっと後なんだろうなぁ。

と思っていたらその日は意外と早く来た。というのが今から6~7年前の話。

その頃と言えば、

一連のかつてレア盤や幻のレコードなどがCDやレコード再発が一段落し、
eBayで海外のディーラーから買うことが当たり前になって、
iTunes Storeが楽曲販売を始めた頃なのですが、

そんな中で海外買付をメインとした中古レコード屋をやっていて危機感を抱かない人間はいなかったのでは。自分がビートバップレコードをやっていた渋谷の宇田川町はレコード屋開店ブーム(というようなもの)が有って一時期は宇田川町だけで50店近いレコード屋が有ったと言われています。今はたぶん20を切ったくらいか。もっと無いかも。それくらい店が無くなった訳で、宇田川町レコード屋閉店ブームに先駆けてうちが閉店したと言えなくもない。


というジョークも今では笑えない。


でも、その頃でも「そんなにすぐに誰もレコード屋に来なくなるなんてことは無い」という漠然とした楽観した雰囲気もまだ有った。「オリジナル盤の価値は下がらない」というレコード=株券理論や、「DJなのに再発盤をかけるなんて客に失礼。オリジナルでかけてこそDJ。だからまだまだ需要有りまっせ。」というDJ原理に基づく楽観論も有った。

ここでぶっちゃけた話、当時うちのレコード屋の売上は一時期よりだいぶ落ちていたけど、それでもまだ「このままレコード屋で生計を立てつつ子供を育てる」くらいは出来てたんです。それでも、もうすぐ子供が生まれるとなった時に「レコード屋。続けるの?辞めるの?どっち?」と言われて迷わず「辞めます。」となったのは、やはり自分が乗っているのがタイタニック号だという意識が有ったら。

「この船は沈む」

当時、すでに上の中古レコード楽観論は信じてなくて。って言うかそんなのは、
「なに君?この12インチ持ってないの?ダメだよDJの▲▲▲も●●●も今これかけてるんだよ。持ってなきゃ一流のDJになれないよ?買う?うん。じゃ1万円ね。」とかでブイブイやっていた店が自分の店の在庫の価値が下落するのを恐れて言っていただけだった。

それよりも、iTunes Storeで圧縮音源(mp3/AAC)を150円で売りだしたのを見て、
「わ、レコード屋いらねぇ~じゃん」と思ったのがでかい。で、知り合いのミュージシャンに
「もう事務所とかレーベルとかレコード会社とかいらないじゃん。ミュージシャンが直でiTunesで曲売ったらダイレクトにお金入ってくるんでしょ?それでやっていけるじゃん」と聞いたら、
そうじゃないとの答え。

1.ミュージシャンがダイレクトにiTunes Storeで曲は売れない
2.mp3からの利益ではミュージシャンとしてやっていけない

らしい。スティーブジョブスが決めた(?)1曲=1$日本だと150円で(mp3の音が好き/嫌いは有るとしても)曲は手に入る。でも、その金額ではミュージシャンはやっていけない。と、するとCDとかレコードとかに含まれているものはなんなのか?という話になってくるのだ。

(続く)